✅ この記事の結論
全館さらぽか空調は、デシカント除湿+床冷房で夏のジメジメを解消するのが最大の価値です。オプション費用は坪1.5万円(30坪で約45万円)。2026年7月からナチュリア・アイキューブにも対応が拡大されました。一方で10年ごとのデシカント交換(約30〜40万円)など維持費もかかります。我が家は不採用でしたが、梅雨・夏の湿気に悩む方やエアコンの風が苦手な方には、検討する価値のあるオプションです。
この記事の内容
- 全館さらぽか空調とは?仕組みを解説
- オプション費用とメンテナンスコスト
- さらぽか vs うるケアの違い
- 採用できる商品【2026年7月更新】
- さらぽかのメリット5つ
- デメリット・注意点5つ
- 施主の判断|我が家が採用しなかった理由
- まとめ|さらぽかが向いている人・いらない人
全館さらぽか空調とは?仕組みを解説

全館さらぽか空調は、一条工務店オリジナルの全館空調システムです。「夏はさらっと涼しく、冬はぽかぽか暖かい」がコンセプト。商業施設で使われるデシカント方式の除湿機を住宅用に小型化した世界初の技術で、家中の温度と湿度をまとめてコントロールします。
さらぽか空調は、大きく3つの要素で構成されています。
| 要素 | 役割 |
|---|---|
| デシカント換気システム | 2つのローター(顕熱+デシカント)で、取り込む外気の温度と湿度を調整。夏は除湿、冬は保湿 |
| 床冷暖房 | 全館床暖房のパイプに、夏は水・冬は温水を流す。足元からじんわり冷暖房 |
| 天井サーキュレーター | 各部屋の天井に設置。空気をゆっくり循環させ、温度ムラを解消 |
夏はデシカント換気で家中の湿度を40〜50%に保ちつつ、床冷房で室温を下げます。冬は全館床暖房で足元から暖め、保湿機能で乾燥を緩和します。エアコンのように直接冷風・温風を当てるのではなく、家全体をじんわり均一に調整するのが特徴です。
📌 さらぽか=ロスガードの上位版
さらぽかを採用すると、標準仕様の換気システム「ロスガード90」がデシカント換気システムに置き換わります。つまり、さらぽかとロスガードは併用ではなく、どちらかを選ぶ関係です。
オプション費用とメンテナンスコスト
導入費用
さらぽか空調のオプション費用は坪あたり約1.5万円です。建物の坪数に応じて変わるため、延床面積30坪の家なら約45万円、35坪なら約52.5万円が目安になります。
なお、さらぽかを採用すると遮熱タイプのハニカムシェードが全窓に付属します。通常はオプション扱い(レースハニカムが標準)なので、この分のコストを差し引くと実質的な負担はやや軽くなります。
将来のメンテナンス費用
さらぽかは快適ですが、将来のメンテナンス費用も把握しておく必要があります。
| 部品 | 耐用年数 | 交換費用の目安 |
|---|---|---|
| デシカント換気システム | 約10年 | 約30〜40万円 |
| 天井サーキュレーター | 約8年 | 約3万円/台 |
10年ごとに約30〜40万円のデシカント交換が発生するのは、さらぽか最大のランニングコストです。サーキュレーターも各部屋に設置されるため、複数台の交換が必要になります。導入費用だけでなく、この維持費も含めた長期的な判断が求められます。
さらぽか vs うるケアの違い
一条工務店の全館空調には「さらぽか」と「ロスガード90 うるケア」の2つの選択肢があります。どちらも快適性を高める設備ですが、得意分野がまったく異なります。
| 項目 | 全館さらぽか空調 | ロスガード90 うるケア |
|---|---|---|
| 最大の強み | 夏の除湿+床冷房 | 冬の全館加湿 |
| 仕組み | デシカント換気+床冷暖房+サーキュレーター | ロスガード90に加湿ユニットを追加 |
| 費用 | 坪1.5万円(30坪で約45万円) | グランスマートは標準。他はオプション |
| 電気代目安 | 月数千円〜1万円程度 | 24時間運転で月約300円 |
| メンテナンス | デシカント交換:約30〜40万円/10年 | フィルター交換程度 |
| 対応商品 | グランスマート・アイスマート・ナチュリア・アイキューブ | より多くの商品で対応 |
ざっくり言うと、さらぽかは「夏と湿度」に強く、うるケアは「冬の乾燥」に強いです。さらぽかは床冷房やデシカント除湿といった大がかりな仕組みのため費用も維持費も高め。うるケアは加湿に特化しており、コストを抑えつつ冬の快適性を高められます。
💡 判断のポイント
梅雨・夏の湿気が気になる方、エアコンの冷風が苦手な方は「さらぽか」。冬の乾燥で喉や肌が荒れるのが気になる方は「うるケア」。予算やメンテナンスの手間も含めて、自分たちの優先順位に合うほうを選びましょう。
採用できる商品【2026年7月更新】
2026年7月3日、一条工務店はナチュリアとアイキューブでも全館さらぽか空調の対応を開始したことを発表しました(断熱性能の進化に伴い「i-cube」「Naturia」でも「全館さらぽか空調」の対応を開始)。従来はグランスマートとアイスマートの2商品に限られていたため、対応範囲が大きく広がっています。
| 商品 | さらぽか対応 | 断熱等級 |
|---|---|---|
| グランスマート | ⭕ 対応(従来から) | 等級7 |
| アイスマート | ⭕ 対応(従来から) | 等級7 |
| ナチュリア | ⭕ 対応(2026年7月〜) | 等級6 |
| アイキューブ | ⭕ 対応(2026年7月〜) | 等級6 |
| グランセゾン | ❌ 非対応 | 等級7 |
| アイスマイル | ❌ 非対応 | 等級5〜6 |
| ハグミー | ❌ 非対応 | 等級6 |
これまでさらぽかを採用するには断熱等級7の商品を選ぶ必要がありましたが、断熱性能の進化により等級6のナチュリア・アイキューブでも対応が可能になりました。北欧デザインのナチュリアでさらぽかも使いたいという方にとっては嬉しいニュースです。
💬 グランセゾンが非対応な理由
グランセゾンは断熱等級7ですが、木造軸組工法(I-HEAD構法)を採用しており、2×6枠組壁工法の商品とは構造が異なります。さらぽかの床冷暖房パイプの配管仕様が2×6工法に最適化されているため、グランセゾンでは対応していません。
さらぽかのメリット5つ
① 梅雨・夏もサラッと快適

さらぽか最大のメリットは、デシカント除湿で家中の湿度を40〜50%に保てること。梅雨のジメジメした不快感がほとんどなくなり、玄関に入った瞬間から快適な空間が広がります。高気密・高断熱の一条の家との相性が抜群です。
② エアコンの設置台数を減らせる
床冷房とデシカント除湿で室温上昇を抑えられるため、エアコンの設置台数を最小限にできます。すべての部屋にエアコンを付ける必要がなくなり、初期費用と将来の買い替え費用を節約できます。ただし真夏はエアコン併用が推奨されています。
③ 部屋干しの洗濯物がよく乾く
家中の湿度が低く保たれるため、部屋干しした洗濯物がカラッと乾きます。花粉シーズンや雨の日に外に干せない家庭にとっては地味に大きなメリットです。浴室乾燥機が不要になるケースもあります。
④ 風のない穏やかな冷房
床冷房は足元からじんわり冷やす方式なので、エアコンのような直接的な冷風がありません。冷房の風で体が冷えすぎる方、喉が乾燥しがちな方には大きなメリットです。赤ちゃんや小さなお子さんのいる家庭にも好評です。
⑤ ヒートショックのリスクを低減
冬は全館床暖房で家中を均一に暖めるため、リビングと廊下・脱衣所・トイレの温度差が小さくなります。急激な温度変化による血圧の変動(ヒートショック)のリスク低減にもつながります。
デメリット・注意点5つ
① オプション費用が高い
坪1.5万円は一条工務店のオプションの中でも高額な部類です。30坪で約45万円、35坪で約52.5万円。加えて将来のメンテナンス費用も考慮すると、10年間で70〜90万円程度のトータルコストを想定しておく必要があります。
② メンテナンス費用がかかる
デシカント換気システムの耐用年数は約10年で、交換費用は約30〜40万円。サーキュレーターも約8年で交換が必要です。さらぽかを不採用にした場合の標準仕様「ロスガード90」はフィルター交換程度で済むため、維持費の差は大きいです。
③ 即効性がない(エアコン併用が前提)
床冷房はじんわり冷やす仕組みのため、エアコンのように「すぐに涼しくなる」効果はありません。一条工務店の公式サイトでも、真夏はエアコンとの併用が推奨されています。来客時など急に室温を下げたい場面ではエアコンが必要です。
④ 部屋ごとの細かい温度調整が難しい
全館空調の宿命ですが、家族の暑がり・寒がりに合わせて部屋ごとに温度を細かく変えたい場合は不向きです。個別エアコンのほうが柔軟に対応できます。
⑤ 一部地域では対応していない場合がある
寒冷地など一部の地域では、さらぽかの仕様が異なったり、採用できないケースがあります。検討する方は、契約前に営業担当に自分の建築地域で対応可能かどうかを確認してください。
施主の判断|我が家が採用しなかった理由
我が家はグランスマートで建てましたが、全館さらぽか空調は採用しませんでした。理由はシンプルで、冷房はエアコンに任せたほうが良いと判断したこと、冬の加湿の面倒さをしっているのでうるケアに魅力を感じたためです。
一条工務店の高気密・高断熱の家であれば、エアコン1〜2台でも家全体を十分に冷やせます。真夏の猛暑日でも室温を快適に保てていますし、即効性という点ではエアコンに勝るものはありません。
また、10年ごとに約30〜40万円のデシカント交換費用が発生する点も気になりました。導入費用とあわせると、10年間で70〜90万円のコスト。その分を他のオプション(太陽光発電・蓄電池など)に回したほうが、我が家にとっては満足度が高いと考えました。
💬 不採用でも後悔はなし
さらぽかを採用しなかったことに後悔はありません。一条の家は気密・断熱性能が高いので、エアコン+ロスガード90の標準仕様でも十分快適です。ただし、梅雨時期の除湿だけは「さらぽかがあれば」と思う瞬間がないわけではありません。除湿に関してはさらぽかに明確な優位性があるので、湿気が気になる方は採用を前向きに検討してよいと思います。
まとめ|さらぽかが向いている人・いらない人
| さらぽかが向いている人 | さらぽかがいらない人 |
|---|---|
| 梅雨・夏のジメジメが耐えられない | エアコンの冷房で十分と感じる |
| エアコンの冷風が苦手 | 部屋ごとに温度を変えたい |
| 部屋干し派で洗濯物を早く乾かしたい | 導入費用+メンテナンス費用を他に回したい |
| 予算に余裕がある | メンテナンスの手間を最小限にしたい |
全館さらぽか空調は、一条工務店の高気密・高断熱住宅だからこそ実現できる全館空調システムです。2026年7月にはナチュリア・アイキューブにも対応が拡大され、選択肢はさらに広がりました。
ただし、高額なオプション+将来のメンテナンス費用を考えると、万人に必須とは言えません。「なくても快適に暮らせるが、あればさらに快適」──それがさらぽかの立ち位置です。展示場や宿泊体験で実際に体感したうえで、判断することをおすすめします。
フォーム入力のみ・契約義務なし・全国対応


