✅ この記事の結論
ヘーベルハウスは鉄骨造ならではの耐久性・耐火性・大空間設計が魅力のハウスメーカーです。今となっては特徴も価格帯も全く異なるので、どうして比較していたんだろうと思ったものの、当初は圧倒的な災害への強さが魅力に感じていた二社でした。しかし我が家は「高い住宅性能」を求めていたことから、最終的に候補から外しました。
この記事の内容
ヘーベルハウスは、旭化成ホームズが展開する鉄骨造の注文住宅ブランドです。重厚感のある外観と、60年以上の耐用年数を掲げる高耐久住宅として知られています。
我が家はハウスメーカーを8社巡りましたが、ヘーベルハウスもそのうちの1社です。親族がヘーベルハウスで家を建てていたこともあり、親族割引が使えるかもしれないと期待して見学に行きました。
この記事では、ヘーベルハウスの展示場を2回見学した上で感じた良かった点と、最終的にやめた理由を正直にお伝えします。最終的に一条工務店のグランスマートで建てた施主の視点からの比較です。
ヘーベルハウスを見学したきっかけ
ヘーベルハウスを見学したきっかけは、親族がヘーベルハウスで家を建てていたことです。
我が家はハウスメーカー選びの中で、使える割引制度は積極的に活用しようという方針でした。親族がヘーベルハウスのオーナーだったため、親族割引(紹介制度)を利用できる可能性があると考え、こちらから打診してハウジングセンターの展示場を訪問しました。
訪問回数は合計2回です。間取りの提案まではもらいませんでしたが、ヘーベルハウスの構造や強み、おおよその費用感については詳しく説明していただきました。
ヘーベルハウスの良いところ3選

まず、ヘーベルハウスの見学で「ここは良いな」と感じたポイントを3つ紹介します。やめた理由だけでなく、良いところもしっかりお伝えするのがこのシリーズのポリシーです。
鉄骨造ならではの大空間・大開口の設計自由度
ヘーベルハウスの最大の魅力は、鉄骨造(重量鉄骨ラーメン構造)による設計自由度の高さです。
柱と梁で建物を支える構造のため、壁で荷重を受ける木造と比べて大きな間取りを取ることができます。ワイドスパンのリビングや大開口の窓、ビルトインガレージなど、木造では実現しにくい空間設計が可能です。
特に都市部の狭小地で3階建てを検討している方や、二世帯住宅で大きな空間が必要な方にとって、この設計自由度は大きなメリットだと感じました。
ALC「ヘーベルパワーボード」による耐火性・耐久性の高さ

ヘーベルハウスの名前の由来にもなっているALC(軽量気泡コンクリート)パネル「ヘーベルパワーボード」は、外壁・床・屋根に使用されている独自の建材です。
ヘーベルパワーボードには「軽量性」「高強度」「耐火性」「耐久性」「遮音性」「断熱性」といった特性があり、特に圧倒的な災害への強さや断熱性能が高く評価されています。鉄骨造と組み合わせることで、火災や地震などの災害に強い住宅を実現しています。特に耐震性が極めて高いことが魅力的でした。
基本躯体構造の耐用年数は60年以上とされており、長く住み続けることを前提とした家づくりの思想には好感を持ちました。
初期保証30年・60年点検システムの安心感
ヘーベルハウスは構造と防水の初期保証が30年と長く、さらに30年目の集中メンテナンス(有償)を行うことで最長60年まで保証を延長できます。
加えて、60年間の定期点検システムが用意されており、引き渡し後30年目までは無料で点検を受けることができます。各家に専任のスタッフ(ホームドクター)がつく体制も整っており、「建ててからが本当のお付き合い」というスタンスは信頼感がありました。
なお、一条工務店も2026年7月から設備保証を15年に延長するなど保証を強化しています。保証制度の比較は以下の記事で詳しく解説しています。
それでもヘーベルハウスをやめた理由
良いところはたくさんあったヘーベルハウスですが、最終的には候補から外しました。その理由は下記のとおりです。
断熱性能の方向性が合わなかった
これが最も大きな理由です。
ヘーベルハウスの断熱性能は、標準仕様でUA値0.6 W/㎡・K以下とZEH基準をクリアしています。独自の断熱材「ネオマフォーム」とヘーベル板の二重断熱構造を採用しており、一般的な住宅としては十分な性能です。
しかし、我が家が求めていたのは「高い断熱性能」でした。一条工務店のグランスマートは実測UA値0.18(断熱等級7・HEAT20 G3相当)、C値0.40と、ヘーベルハウスとは大きな差があります。
📝 UA値の比較
ヘーベルハウス:UA値0.6以下(ZEH基準・断熱等級5相当)
一条工務店グランスマート:UA値0.18(断熱等級7・HEAT20 G3相当)
数値が小さいほど断熱性能が高く、UA値0.18は業界トップクラスの断熱性能です。
鉄骨造は構造上、柱や梁の鉄骨部分から熱が逃げやすい「ヒートブリッジ」という特性があります。木造と比べて断熱性能を高めにくいのは、鉄骨造全般に共通する課題です。ヘーベルハウスもネオマフォームで対策していますが、木造の超高断熱住宅と同等の性能を実現するのは構造的にハードルが高いと言えます。
断熱性能は住んでからの光熱費や快適性に直結する部分なので、ここが私たちにとって最も重要な判断基準でした。
鉄骨造は自分たちの優先順位に合わなかった
ヘーベルハウスに限らず、鉄骨造のハウスメーカーを検討する中で感じたのは、私たちは「鉄骨派」ではなかったということです。
鉄骨造には大空間設計や耐震性といった明確なメリットがありますが、一方で断熱・気密の面では木造に比べて不利な部分があります。我が家が求めていたのは「高断熱・高気密で冬でも暖かい家」だったため、木造2×6工法で全館床暖房を標準搭載する一条工務店のほうが、優先順位にぴったり合っていました。
どちらが優れているかではなく、「何を優先するかで選ぶべきメーカーが変わる」という話です。
坪単価が高めで、性能単価で見ると割高に感じた
ヘーベルハウスの坪単価は、商品や仕様にもよりますが約90〜130万円/坪が目安です。大手鉄骨メーカーの中では標準的な価格帯ですが、決して安くはありません。
一方、我が家が建てた一条工務店のグランスマートは本体坪単価で約72万円/坪(総額ベースで約100万円/坪)でした。断熱性能・気密性能・全館床暖房・太陽光発電が標準で含まれていることを考えると、性能あたりのコストパフォーマンスでは一条工務店に分があると感じました。
もちろんヘーベルハウスの価格には、耐久性60年の躯体や手厚いアフターサービスの価値が含まれています。何に価値を感じるかは人それぞれですが、私たちにとっては「断熱性能と全館床暖房に予算を使いたい」という考えでした。
ヘーベルハウスも含めて複数社を比較したいなら、まず見積もりを取ることが第一歩です。
ヘーベルハウスが向いている人・向いていない人
2回の見学と検討を通じて感じた、ヘーベルハウスが向いている人・向いていない人をまとめます。
ヘーベルハウスが向いている人
- 重厚感のあるかっこいい外観デザインを求める人 — ヘーベル板の質感は独特で、他のハウスメーカーにはない存在感があります
- 都市部で3階建てやビルトインガレージを検討している人 — 鉄骨造の大空間設計は狭小地での家づくりに強みを発揮します
- 二世帯住宅を検討している人 — ヘーベルハウスは二世帯住宅のノウハウが豊富です
- 耐火性・耐久性を最優先にしたい人 — 60年以上の躯体耐用年数は安心感があります
- 建てた後のサポートを重視する人 — 60年の点検体制とホームドクター制度は業界でもトップクラスです
ヘーベルハウスが向いていない人
- 高断熱・高気密性能を最優先にする人 — UA値0.6はZEH基準をクリアしていますが、断熱等級6〜7レベルを求める場合は一条工務店など木造高断熱メーカーのほうが適しています
- 全館床暖房を標準仕様で入れたい人 — 一条工務店のように全館床暖房が標準ではないため、オプション費用がかかります
- 建築費をできるだけ抑えたい人 — 坪単価90万円〜は大手メーカーとしては標準的ですが、ローコスト〜ミドルクラスのメーカーと比べると高めです
ヘーベルハウスと一条工務店の比較表
ヘーベルハウスと一条工務店(グランスマート)の主要なスペックを比較表にまとめました。どちらが優れているかではなく、自分の優先順位に合うのはどちらかを確認する材料にしてください。
| 比較項目 | ヘーベルハウス | 一条工務店(グランスマート) |
|---|---|---|
| 構造 | 鉄骨造(重量鉄骨ラーメン構造) | 木造(2×6枠組壁工法) |
| 坪単価の目安 | 約90〜130万円 | 約72万円(本体)〜100万円(総額) |
| UA値(断熱性能) | 0.6以下(ZEH基準) | 0.18(実測・断熱等級7) |
| C値(気密性能) | 非公表 | 0.40(実測) |
| 断熱等級 | 等級5(ZEH基準) | 等級7(HEAT20 G3相当) |
| 全館床暖房 | オプション | 標準仕様 |
| 太陽光発電 | オプション | 標準搭載(商品による) |
| 外壁 | ALC「ヘーベル板」 | ハイドロテクトタイル |
| 初期保証(構造・防水) | 30年 | 30年 |
| 点検体制 | 60年定期点検 | 30年点検 |
| 設備保証 | 10年 | 15年(2026年7月〜) |
| 設計自由度 | 高い(大開口・大空間) | 一条ルールによる制約あり |
| デザインの特徴 | 重厚感・モダン | シンプル・機能重視 |
比較表を見ると、ヘーベルハウスは「耐久性・デザイン・設計自由度」に強みがあり、一条工務店は「断熱・気密・コストパフォーマンス」に強みがあることがわかります。どちらを優先するかで、選ぶべきメーカーが変わってきます。
ハウスメーカー選びで大切なのは、自分の優先順位に合った会社を見つけること。複数社の見積もりを比較することで、納得のいく判断ができます。
まとめ
✅ この記事のまとめ
ヘーベルハウスは鉄骨造の耐久性・耐火性・設計自由度が魅力的なハウスメーカーです。60年の躯体耐用年数と手厚いアフターサービスは、安心して長く住みたい方にとって大きな価値があります。
しかし、我が家のように「断熱性能を最優先に考える」「木造の高気密・高断熱住宅で冬も暖かく過ごしたい」という方には、一条工務店のほうが向いています。
大切なのは、自分の家づくりの優先順位を明確にすること。ヘーベルハウスの性能が低いのではなく、求めるものの方向性が違っただけです。複数社の見積もりを比較して、ご自身に合ったハウスメーカーを見つけてください。


