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FIT制度とは?2026年の売電価格と太陽光の収支シミュレーションを施主が解説

FIT制度の仕組みと2026年度の売電価格、太陽光の収支シミュレーションを施主が解説する記事のアイキャッチ 家づくりの始め方
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✅ この記事の結論
FIT制度(固定価格買取制度)とは、太陽光発電で余った電気を国が決めた価格で電力会社が買い取ってくれる制度です。2026年度からは「2段階FIT」が導入され、最初の4年間は24円/kWh、5〜10年目は8.3円/kWhで売電できます。売電価格だけを見ると年々下がっていますが、電気料金の高騰により「売電で稼ぐ」より「自家消費で節約する」ほうがお得な時代になっています。我が家は2025年8月にFIT認定を受けたため、従来型の15円/kWh×10年間固定が適用されています。入居後11ヶ月の実績では、売電収入が買電金額を約5.8万円上回り、自家消費の節約効果も含めると約8年で投資回収できる見通しです。

この記事の内容

  1. FIT制度(固定価格買取制度)とは?仕組みをわかりやすく解説
  2. 2026年度の売電価格|2段階FITで何が変わった?
  3. FIT売電価格の推移と今後の見通し
  4. 太陽光発電の収支シミュレーション|5kW・10kWの場合
  5. 売電より自家消費がお得な理由
  6. 卒FIT後はどうなる?10年後の選択肢
  7. 我が家の太陽光投資の考え方
  8. まとめ

FIT制度(固定価格買取制度)とは?仕組みをわかりやすく解説

FIT制度とは「Feed-in Tariff(フィードインタリフ)」の略で、日本語では「固定価格買取制度」と呼ばれます。2012年に始まったこの制度は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電した電気を、国が決めた価格で電力会社が一定期間買い取ることを義務付ける仕組みです。

住宅用の太陽光発電(10kW未満)の場合、ポイントは次の3つです。

📌 住宅用FIT制度の3つのポイント
余剰売電:自宅で使い切れなかった余りの電気を売れる(全量売電ではない)
10年間固定価格:FIT認定を受けた年度の売電単価が10年間保証される
申請した年度の価格が適用:導入のタイミングで売電単価が決まる

つまり、太陽光パネルで発電した電気をまず自宅で使い(自家消費)、余った分を電力会社に売る仕組みです。いつ導入するかによって売電単価が変わるため、導入時期の判断が重要になります。

2026年度の売電価格|2段階FITで何が変わった?

2026年度から、住宅用太陽光発電のFIT制度に大きな変更がありました。従来の「10年間ずっと同じ価格」から、「2段階価格」(初期投資支援スキーム)に移行したのです。

区分期間売電価格
住宅用(10kW未満)1〜4年目24円/kWh
住宅用(10kW未満)5〜10年目8.3円/kWh
事業用・屋根設置(10kW以上)1〜5年目19円/kWh
事業用・屋根設置(10kW以上)6〜20年目8.3円/kWh

この制度は2025年10月1日以降にFIT認定を申請する方から適用されています。最初の4年間の売電単価が24円/kWhと高く設定されているのは、導入初期に投資を回収しやすくするための国の施策です。

なぜ2段階制になったのか?

背景には、第7次エネルギー基本計画で「2030年までに新築戸建て住宅の6割に太陽光発電を設置する」という目標が掲げられたことがあります。太陽光の導入をさらに加速するために、導入初期の経済メリットを大きくして「早く始めたほうが得」と思ってもらう狙いです。

ただし、10年間のトータル売電収入は従来の固定価格制度とほぼ同等になるように設計されています。つまり「トータルで得する額が増えた」わけではなく、「回収のスピードが早まった」と理解するのが正確です。

FIT売電価格の推移と今後の見通し

FIT制度が始まった2012年からの住宅用太陽光発電の売電価格の推移を見てみましょう。

年度売電価格(10kW未満)備考
2012年42円/kWhFIT制度スタート
2015年33円/kWh
2018年26円/kWh
2020年21円/kWh
2022年17円/kWh
2024年16円/kWh10年間固定(最後の年度)
2025年4〜9月15円/kWh10年間固定(我が家はこの期間に認定)
2025年10月〜24円→8.3円2段階FIT開始
2026年度24円→8.3円2段階FIT継続

2012年の42円/kWhと比べると、5年目以降の8.3円は大幅に下がっています。しかし当時と比べて太陽光パネルの設置費用も大きく下がっており、投資回収に必要な年数はそれほど変わっていません。むしろ電気料金の高騰により、自家消費のメリットは当時よりも大きくなっています。

💡 今後の見通し
2027年度以降も2段階FIT制度が継続される見込みです。ただし、事業用太陽光発電の地上設置は2027年度以降FIT/FIP制度の対象外となることが決定しています。住宅用・屋根設置型への支援は今後も続く方針ですが、具体的な売電単価は毎年度見直されます。

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太陽光発電の収支シミュレーション|5kW・10kWの場合

2026年度の2段階FITを前提に、一般的な住宅用太陽光発電の10年間の収支をシミュレーションしてみます。

シミュレーションの前提条件

項目設定値
年間発電量1kWあたり約1,100kWh
自家消費率30%(余剰売電70%)
FIT売電単価(1〜4年目)24円/kWh
FIT売電単価(5〜10年目)8.3円/kWh
電気購入単価(自家消費で節約する分)31円/kWh
設置費用の目安18万円/kW(2026年相場)

5kWシステムの場合

一般的な戸建住宅の屋根に設置する標準的な容量です。

項目年間10年間合計
年間発電量5,500kWh
自家消費量(30%)1,650kWh
余剰売電量(70%)3,850kWh
売電収入(1〜4年目)92,400円369,600円
売電収入(5〜10年目)31,955円191,730円
売電収入合計561,330円
自家消費の節約効果51,150円511,500円
経済メリット合計約107万円
設置費用(5kW×29万円)1450,000円
投資回収年数約8.4年

10kWシステムの場合(一条工務店等の大容量)

一条工務店のグランスマートやアイスマートなど、大容量の太陽光パネルを搭載できるハウスメーカーの場合を想定します。

項目年間10年間合計
年間発電量11,000kWh
自家消費量(30%)3,300kWh
余剰売電量(70%)7,700kWh
売電収入(1〜4年目)184,800円739,200円
売電収入(5〜10年目)63,910円383,460円
売電収入合計1,122,660円
自家消費の節約効果102,300円1,023,000円
経済メリット合計約215万円
設置費用(10kW×18万円)1,800,000円
投資回収年数約14年

📝 シミュレーションの注意点
上記はあくまで一般的な前提条件によるシミュレーションです。実際の発電量は地域の日照条件やパネルの方角・角度、経年劣化などにより異なります。また、自家消費率は家庭のライフスタイルや蓄電池の有無によって大きく変わります。蓄電池があれば自家消費率を50〜70%に高められるため、経済メリットはさらに大きくなります。

設置費用の相場と投資回収年数の比較

経済産業省のデータによると、2026年時点の住宅用太陽光発電の設置費用は新築で1kWあたり約28〜29万円が全国平均です。一方、一条工務店のように自社で太陽光パネルを大量調達しているハウスメーカーでは、大幅に安い価格で導入できるケースがあります。

ケースkW単価5kWの設置費用10年間メリット投資回収
一般的な相場(新築)約29万円約145万円約107万円約13〜14年
コスパ重視の業者約25万円約125万円約107万円約11〜12年
一条工務店(蓄電池込み)約18万円約90万円約107万円約8年

📌 一条工務店の太陽光が圧倒的にコスパが良い理由
一条工務店は自社グループでパネルを生産・調達しているため、一般市場より大幅に安い価格で導入可能です。我が家のグランスマートでは、13.475kW+蓄電池をセットで約248万円(約18万円/kW)で導入しました。一般的な相場では蓄電池なしでも1kWあたり約28〜29万円かかることを考えると、蓄電池込みでこの価格は破格です。

一般的な相場(約29万円/kW)ではFIT期間の10年間では回収しきれず、卒FIT後も含めて13〜14年が回収の目安になります。一方、一条工務店の価格であれば約8年で回収できるため、FIT期間内に投資回収が完了し、残りの2年分はまるごと利益になります。

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売電より自家消費がお得な理由

FIT制度が始まった2012年は売電価格が42円/kWhで、電気の購入単価よりも高い「売ったほうが得」な時代でした。しかし2026年現在は状況が逆転しています。

項目単価
電気の購入単価(従量料金の目安)約31〜40円/kWh
FIT売電価格(1〜4年目)24円/kWh
FIT売電価格(5〜10年目)8.3円/kWh
卒FIT後の売電価格7〜11円/kWh

この表を見ればわかるとおり、FIT期間の最初の4年間ですら「売るより使ったほうが得」です。太陽光で発電した1kWhの電気を自宅で使えば31〜40円分の電気を買わずに済みますが、売電しても24円にしかなりません。5年目以降は8.3円まで下がるため、差はさらに広がります。

つまり現在の太陽光発電は「売電で儲ける装置」ではなく「電気代を節約する装置」として考えるのが正解です。この考え方を前提にすると、蓄電池を組み合わせて自家消費率を高めることが、太陽光の経済メリットを最大化するカギになります。

卒FIT後はどうなる?10年後の選択肢

FIT制度の買取期間(10年間)が終了することを「卒FIT」と呼びます。卒FIT後は固定価格での買取が終わり、売電価格は大幅に下がります。

卒FIT後の売電価格の目安

売電先売電価格の目安
大手電力会社(東京電力・中部電力など)7〜9円/kWh
新電力(PPS)約11円/kWh

卒FIT後にとれる主な選択肢は次の3つです。

①売電先を切り替えて少しでも高く売る
大手電力会社よりも新電力のほうが高い買取価格を設定しているケースが多いです。卒FITのタイミングで売電先を見直すだけで、年間数千円の差が出ます。

②蓄電池を導入して自家消費率を上げる
売電価格が下がる卒FIT後は、余った電気を売るよりも蓄電池に貯めて夜間に使うほうが圧倒的にお得です。蓄電池の導入補助金が使えるタイミングを狙うと良いでしょう。

③そのまま余剰売電を継続する
手続きの手間をかけたくない方は、そのまま契約中の電力会社に余剰売電を続けることも可能です。ただし売電単価は大幅に下がるため、蓄電池と比べると経済メリットは限定的です。

💡 卒FITに備えるなら新築時の蓄電池がベスト
卒FIT後に蓄電池を後付けする方法もありますが、新築時に太陽光とセットで導入すれば工事費を抑えられ、住宅ローンに組み込めるメリットがあります。一条工務店で建てる場合は、太陽光+蓄電池のセット導入が標準的です。

我が家の太陽光投資の考え方

我が家は一条工務店のグランスマートで、13.475kWの太陽光パネル+蓄電池を約248万円で導入し、住宅ローンに組み込みました。カナエルソーラー(中部電力ミライズとの提携サービス)を使う選択肢もありましたが、自費購入を選んでいます。FIT認定は2025年8月で、売電単価は15円/kWh×10年間固定です。

入居後11ヶ月の買電・売電実績

2025年8月の入居から2026年6月までの11ヶ月間の実績がこちらです。

年月買電金額(円)売電金額(円)差引
2025年8月4,74010,785+6,045
2025年9月6,98813,395+6,407
2025年10月6,8257,815+990
2025年11月5,81810,080+4,262
2025年12月7,9896,855−1,134
2026年1月16,2879,210−7,077
2026年2月9,82311,550+1,727
2026年3月4,56915,495+10,926
2026年4月4,70114,985+10,284
2026年5月3,18219,890+16,708
2026年6月5,19914,010+8,811
11ヶ月合計76,121134,070+57,949

11ヶ月中9ヶ月で売電金額が買電金額を上回っています。買電が上回ったのは暖房需要が高い12月と1月のみ。月平均で見ると、買電が約6,900円に対して売電が約12,200円と、差引で毎月約5,300円のプラスです。

📌 一条工務店のグランスマートは全館床暖房をフル稼働していても、年間を通してみると売電が買電を大きく上回る結果になりました。高断熱住宅(UA値0.18)と大容量太陽光パネルの組み合わせが効いています。

投資回収シミュレーション|約8年で回収の見通し

太陽光発電の経済メリットは「売電収入」と「自家消費による電気代の節約」の合計です。実績データをもとに投資回収を試算してみます。

項目11ヶ月実績年間推計
売電収入134,070円約146,000円
自家消費の節約効果(※)約144,000円約157,000円
合計メリット約278,000円約303,000円

※自家消費の節約効果は、年間発電量の推定値(13.475kW×1,100kWh/kW≒約14,800kWh)から売電量(売電金額÷15円)を差し引いて自家消費量を算出し、電気の購入単価31円/kWhで換算した推定値です。

項目金額
太陽光+蓄電池の設置費用2,485,000円
年間メリット合計約303,000円
投資回収年数約8.2年

✅ 約8年で投資回収、残り2年分はまるごとプラス
FIT期間は10年間なので、回収後の残り約2年間は売電収入と自家消費節約がそのまま利益になります。さらに卒FIT後も自家消費の節約効果は続くため、長く住むほどメリットが積み上がっていきます。

📝 従来型15円と2段階FIT、どちらが得?
我が家のFIT認定は2025年8月で、2025年10月以降の2段階FIT(24円→8.3円)が始まる直前でした。10年間のトータル売電収入で比較すると、2段階FITと従来型の15円×10年はおおむね同水準になるよう設計されています。我が家の場合は15円/kWhで10年間安定して売電できるため、収支計画がシンプルに立てられるメリットがありましたが、現在の2段階FITも全く損ではありません。

太陽光発電の導入を検討する際は、以下の記事もあわせてご覧ください。

まとめ|FIT制度を理解して太陽光の導入判断をしよう

この記事のポイントを整理します。

✅ まとめ
・FIT制度は太陽光で余った電気を固定価格で10年間買い取ってくれる国の制度
・2026年度からは2段階FIT(最初4年間24円→以降8.3円)に移行
・売電価格は年々下がっているが、設置費用も下がっており投資回収年数は大きく変わっていない
電気料金の高騰により「自家消費で節約」のメリットが年々拡大
・卒FIT後は蓄電池で自家消費率を高めるのが最も経済的
・新築時に太陽光+蓄電池をセットで住宅ローンに組み込むのがベスト

太陽光発電の「元が取れるか」は、売電価格だけでなく電気料金・自家消費率・蓄電池の有無など複数の要素で決まります。自分の家にどれくらいのパネルが載るか、年間でどれくらい発電するかは、ハウスメーカーや施工業者に見積もりを依頼すれば具体的にシミュレーションしてもらえます。

一条工務店で家を建てる方は、業界トップクラスの大容量パネルを搭載できるため、太陽光の経済メリットを最大限に受けられます。複数のハウスメーカーで間取りプランと見積もりを比較検討するところから始めてみてください。

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