✅ この記事の結論
入居して1年、我が家は夏の室内湿度がずっと68%前後ありました。「一条工務店の家は高気密だから夏はこんなものか」と思い込んでいたのですが、原因はもっと単純でした。うるケアの「加湿」設定が、夏なのにオンのまま、しかも多めになっていたのです。加湿を切って14時間後、湿度は68%から54%まで下がりました。うるケアに除湿機能はないため、夏は加湿をオフにするのが正しい使い方です。心当たりのある方は、今すぐ操作パネルを確認してみてください。
2025年8月に一条工務店のグランスマートへ入居して、ちょうど1年が経ちました。
断熱性能は文句なしで、真夏でも室温は24〜25℃で安定しています。ただ、ひとつだけずっと引っかかっていたことがありました。湿度が高いのです。
この記事では、その原因が判明するまでの経緯と、加湿を切った前後の実測データ、そして同じ状態になっていないかを確認する方法をまとめます。すでに一条工務店の家に住んでいる方はもちろん、これからうるケアとさらぽかで迷う方にも読んでいただきたい内容です。
入居1年、夏の湿度がずっと68%前後だった

我が家はリビングに温湿度計を置いています。入居してからずっと、夏場の表示は湿度70%前後でした。
エアコンは動いています。室温も24℃台で快適です。室温が低いので不快ではないのですが、再熱除湿のエアコンを動かしてなお、外よりも湿度が高いので不思議に思っていました。
それでも放置していたのは、こう考えていたからです。
- 一条工務店の家は高気密なので、室内で発生した水蒸気が逃げにくいのだろう
- ロスガード90は熱交換換気なので、外の湿気をある程度は持ち込むはず
- 愛知県の夏は湿度が高い。室内が70%なら健闘している方では
- そもそも高気密高断熱住宅は「夏の湿度が下がりにくい」とよく言われている
- 我が家はさらぽかを採用していないので、除湿までは望めない
どれも間違ってはいません。実際、これらは高気密住宅で夏の湿度が下がりにくい理由として、よく挙げられるものです。
だからこそ、私は「仕方ないこと」として1年間受け入れてしまっていました。もっともらしい説明を自分で用意してしまうと、それ以上は疑わなくなるものです。
原因は「加湿」がオンのままだったこと
記事を書いていてふと気になったので、ある日ロスガードの操作パネルをじっくり見てみました。
「加湿」がオンになっていました。
それどころか、加湿量の設定が多めの側に振られていたのです。8月の愛知県で、家中を全力で加湿していたことになります。
💬 その場で即オフにしました
気づいた瞬間、思わず声が出ました。設定ミスだったと分かった瞬間です。原因が家の性能ではなく操作パネルにあったというのは、情けなくもあり、同時に「直せる問題でよかった」という安心でもありました。
加湿を切って14時間、湿度はこう変わった【実測データ】

ここからが本題です。加湿をオフにして、実際に湿度がどう動いたかを記録しました。
| 時点 | 室温 | 相対湿度 |
|---|---|---|
| 加湿オフ直前(前夜の8/10(月)23時半頃) | 24.2℃ | 68% |
| 14時間後(翌日午後の8/11(火)13時半頃) | 24.8℃ | 54% |
| 変化 | +0.6℃ | −14ポイント |
丸1日も経たないうちに、68%から54%まで、14ポイント下がりました。
体感でもはっきり違います。同じ室温なのに、空気がサラッとしています。夏の室内としては、54%はかなり快適な数字です。
📋 測定条件について
市販の温湿度計をリビングに設置して測定した数値です。エアコンの運転状態は前後で変えていません。ただし14時間・1回きりの測定であり、屋外の天候も多少変化しています。厳密な実験ではない点はご承知おきください。
温度も一緒に見ないと、湿度の数字は読み間違える

温湿度計に表示される「湿度◯%」は相対湿度です。相対湿度は、その温度の空気が抱えられる水蒸気の限界量に対して、実際に何%入っているかを表しています。
つまり、空気中の水分量がまったく変わっていなくても、温度が上がるだけで相対湿度は下がります。限界量のほうが増えるからです。
ということは「湿度が下がった」という表示だけでは、本当に除湿できたのか、単に温度が上がっただけなのかが判別できません。ここを確かめるには、絶対湿度(空気1立方メートルあたりに含まれる水蒸気の重さ)に換算する必要があります。
絶対湿度に換算するとどうなるか

我が家の実測値を換算すると、こうなりました。
| 時点 | 室温/相対湿度 | 絶対湿度 | 露点温度 |
|---|---|---|---|
| 加湿オフ直前 | 24.2℃ / 68% | 約15.0g/m³ | 約17.9℃ |
| 14時間後 | 24.8℃ / 54% | 約12.3g/m³ | 約14.8℃ |
| 変化 | — | 約−2.7g/m³(約18%減) | 約−3.1℃ |
空気中の水蒸気そのものが、約18%減っていました。これは温度では説明のつかない、正真正銘の除湿効果です。
もう少し踏み込んで計算してみます。もし水蒸気の量がまったく変わらないまま、室温だけが24.2℃から24.8℃に上がった場合、相対湿度は66%程度にしか下がりません。実際には54%まで下がったので、残りの12ポイント分は、加湿を止めたことによる実際の効果ということになります。
💡 ここがポイント
今回は室温の変化が0.6℃と小さかったため、湿度低下のほとんどが実際の除湿によるものだと確認できました。もし室温が2〜3℃上がっていたら、同じ「68%から54%」でも中身はまったく違う話になります。
温湿度計の湿度だけを見て一喜一憂すると、判断を誤ります。湿度の数字は、必ず温度とセットで読んでください。
なぜ1年間も気づかなかったのか
振り返ると、気づけなかった理由は3つあります。
理由1|冬に「加湿が足りない」と感じて強めたまま忘れた
これが一番の原因です。我が家は冬場、うるケアを使っていてもなお乾燥を感じることがありました。そこで加湿量を強めに設定したのですが、春になっても、夏になっても、そのまま触らなかったのです。
床暖房は季節が変われば自然に切ります。エアコンも同じです。ところが換気システムは1年365日動き続けているため、「季節が変わったら設定を見直す」という発想自体が生まれにくいという落とし穴があります。
理由2|うるケアは「手間いらず」がウリだから触らない
うるケアの大きな魅力は、給水もお手入れも自動で、手間がかからないことです。これは本当に楽で、採用してよかったと思っています。
ただ、その裏返しとして操作パネルに近づく機会がほぼゼロになります。据え置き型の加湿器のように毎日水を入れる家電なら、設定を見る機会も自然にあります。うるケアにはそれがありません。
理由3|「高気密だから仕方ない」で説明がついてしまった
冒頭に書いたとおりです。高気密高断熱住宅では夏の湿度が下がりにくいという話は、あちこちで語られています。その知識があったせいで、もっともらしい説明が先に立ち、設定を疑うところまで行き着かなかったのです。
💬 同じ状況の方は意外と多いかもしれません
「一条工務店の家は夏じめじめする」という声はSNSでもちらほら見かけます。もちろん設定が正しくてもそうなるケースはありますが、その一部は、我が家と同じ加湿オンの状態ではないでしょうか。心当たりのある方は、この記事を読み終える前に一度パネルを見てみてください。
うるケアは加湿はできるが、除湿はできない
ここで、うるケアの仕組みを整理しておきます。誤解されやすいポイントです。
うるケアは、一条工務店とパナソニックが共同開発した全館加湿・換気システムです。ベースは第一種熱交換換気システムのロスガード90で、そこに加湿ユニットが組み込まれた構成になっています。
| 機能 | うるケアで対応できるか |
|---|---|
| 24時間換気 | ○(ロスガード90として常時稼働) |
| 熱交換(温度) | ○ |
| 全館加湿 | ○(冬向けの主機能) |
| 除湿 | ×(機能として存在しない) |
| 冷房 | × |
重要なのは下の2行です。うるケアに除湿機能はありません。できるのは加湿と換気だけです。
したがって夏の正しい使い方は、加湿だけをオフにして、換気システムとしてはそのまま動かし続けることになります。ロスガード自体を止める必要はまったくありません(24時間換気は建築基準法上も止めるべきではありません)。
ロスガード90そのものの仕組みや維持費については、こちらで詳しく解説しています。
→ ロスガード90とは?|仕組み・メリット・維持費を施主が徹底解説
夏に湿度70%近くを放置するとどうなるか
「湿度が高いだけなら我慢すればいい」と思われるかもしれませんが、いくつか無視できない影響があります。
| 影響 | 内容 |
|---|---|
| カビ・ダニ | 一般に湿度60%を超えると繁殖しやすくなるとされる。押し入れやクローゼットなど空気が動きにくい場所は特に注意 |
| 体感温度 | 湿度が高いと汗が蒸発しにくく、同じ室温でも暑く感じる。冷房の設定温度を下げがちになる |
| 電気代 | 体感が悪いぶん冷房を強めるため、結果的に消費電力が増える |
| 洗濯物 | 部屋干しの乾きが遅くなり、生乾き臭の原因になる |
| 加湿ユニットの負荷 | 必要のない期間まで稼働させることになり、運転時間が無駄に伸びる |
我が家の場合、1年間ずっとこの状態だったことになります。夏の電気代がやや高めだった理由の一端も、ここにあったのかもしれません。この点は今後確認していきたいと思います。
加湿オン・オフの確認手順

確認は1分もかかりません。壁に設置されているロスガードの操作パネルを見に行くだけです。
- ロスガードの操作パネル(多くは1階の廊下や洗面所付近の壁)を探す(我が家はリモコンニッチ)
- 画面に「加湿」の表示があるかを確認する
- 加湿がオンになっていたら、加湿ボタンでオフに切り替える
- 換気(ロスガード本体)は止めずにそのまま運転を続ける
- 温湿度計を近くに置き、翌日まで数字の変化を見る
※お手入れについても必要であれば対応しましょう。我が家は必要な状況でした。
🔍 操作パネルの表示は年式によって異なります
ロスガードは世代によってパネルのデザインや表記が変わっています。ボタンの位置や名称が本記事と違う場合は、引き渡し時に受け取った取扱説明書を確認するか、担当のアフターサービス窓口に問い合わせてください。無理に触って設定を崩すより確実です。
うるケアだけでは夏は快適にならない|エアコンとの併用が前提
ここは誤解しないでいただきたいところです。加湿を切れば夏が快適になる、という話ではありません。
加湿オフは、あくまで「余計な水分を足すのをやめた」だけです。うるケアには除湿機能がないので、実際に湿度を下げるのはエアコンの仕事になります。
夏の運用としては、次の形が基本になります。
- うるケアは加湿オフにして、換気としてはそのまま稼働させる
- 温度と湿度のコントロールはエアコンの冷房・除湿で行う
- エアコンは弱めでも連続運転のほうが湿度は安定しやすい
- 空気が動きにくい部屋にはサーキュレーターを併用する
逆に言えば、加湿がオンのままだとエアコンで除湿した分をうるケアが打ち消し続けるという、かなり無駄な状態になります。我が家はまさにこれを1年やっていました。
さらぽかとの決定的な違い
ここまで読んで「さらぽかにしておけばよかったのでは」と思われた方もいるかもしれません。両者の性格の違いを整理しておきます。
| 項目 | うるケア | さらぽか |
|---|---|---|
| 得意な季節 | 冬 | 夏 |
| 加湿 | ○ | ○ |
| 除湿 | × | ○(デシカント方式) |
| 冷房的な機能 | × | ○(床冷房・サーキュレーター) |
| 夏の湿度対策 | エアコン頼み | システム側で対応 |
| 費用 | 比較的抑えられる | 高くなる |
ただ、我が家がうるケアを選んだ判断は、今も変えていません。理由は2つあります。
ひとつは、近年の猛暑を考えるとさらぽかの床冷房だけでは冷房能力が足りないと判断したこと。もうひとつは、高気密住宅の冬の乾燥がかなり厳しく、加湿機能はどのみち必要だと考えたことです。実際、冬は加湿を強めても足りないと感じるほどでした。
むしろ今回の件は「うるケアの限界」ではなく、「うるケアの正しい使い方を知らなかった」という話です。設定さえ合っていれば、うるケアでも夏の湿度は54%まで落ち着きます。
さらぽかの仕組みや費用については、こちらで詳しくまとめています。
→ 全館さらぽか空調とは?|仕組み・費用・注意点を施主が解説
これから建てる人へ|うるケアとさらぽか、どちらを選ぶか
検討中の方に向けて、今回の経験を踏まえた選び方をまとめます。
| こういう方は | 向いている選択 |
|---|---|
| 冬の乾燥が特につらい地域・体質 | うるケア |
| エアコンを各部屋に置く前提で考えている | うるケア |
| コストを抑えつつ全館の加湿はほしい | うるケア |
| 夏のじめじめが何より苦手 | さらぽか |
| 設備の設定を細かく管理するのが苦手 | さらぽか |
| エアコンの台数を減らしたい | さらぽか |
そして、どちらを選ぶにしても覚えておいてほしいことがあります。
✅ 高性能住宅ほど「設定」が効いてくる
断熱・気密が高い家は、外の環境の影響を受けにくいぶん、室内の設備の設定がそのまま室内環境に直結します。引き渡し時に一通り説明は受けますが、実際に季節をまたいで暮らしてみないと分からないことは必ず出てきます。季節の変わり目に設備の設定を見直す習慣をつけておくことを、強くおすすめします。
我が家の断熱性能の実測値については、こちらで公開しています。
→ 【実測値公開】一条工務店の断熱性能|UA値0.18・C値0.40の実力
これから一条工務店で検討される方へ
うるケアとさらぽかのどちらを選ぶかは、展示場や宿泊体験で実際の空気を体感してから決めるのが確実です。その際、温湿度計を持ち込んで数字を記録しておくと、判断材料としてかなり役に立ちます。
また、一条工務店には紹介制度があり、我が家は親族割で42万円ほどの値引きを受けられました。展示場に一度でも来場登録してしまうと使えなくなるため、まだ来場していない方は先に確認しておくことをおすすめします。
よくある質問
Q. 夏はロスガードごと止めてもいいですか?
A. 止めないでください。24時間換気は建築基準法で設置が義務づけられている設備で、常時運転が前提です。オフにするのは加湿機能だけにしてください。
Q. 加湿をオフにしても湿度が下がりません
A. うるケアに除湿機能はないため、加湿オフだけでは湿度は下がりきりません。エアコンの冷房または除湿運転を併用してください。それでも改善しない場合は、室内干しの量、浴室の換気、屋外の湿度条件なども確認してみてください。
Q. 加湿はいつオンに戻せばいいですか?
A. 明確な基準日はありません。室内の湿度が40%を下回るようになってきたら戻す、という判断が分かりやすいと思います。地域にもよりますが、目安としては暖房を使い始める時期と重なります。
Q. 夏の室内湿度は何%を目指せばいいですか?
A. 一般的には40〜60%が快適とされ、カビ対策の観点からも60%以下が目安になります。我が家は加湿オフで54%まで下がったので、この範囲に収まりました。
Q. 加湿をオフにすると電気代は下がりますか?
A. 加湿ユニット自体の消費電力はもともと大きくありません。ただし湿度が下がって体感が改善すれば、冷房の設定温度を上げられる可能性があります。
まとめ|まずはパネルを見に行ってください
今回の話をまとめます。
- 入居1年、夏の湿度が68%前後で高止まりしていた
- 原因はうるケアの加湿が夏もオンのまま、多めに設定されていたこと
- 加湿を切って14時間で、湿度は68%から54%に低下
- 絶対湿度でも約18%減っており、温度変化では説明できない実際の効果だった
- うるケアに除湿機能はないため、夏は加湿オフ+エアコンが正解
- 換気(ロスガード本体)は止めないこと
高気密高断熱の家は、性能が高いからこそ設定ミスの影響も長く残ります。「こういうものだろう」と受け入れる前に、一度パネルを疑ってみてください。我が家のように、1分で解決するかもしれません。
継続測定の結果は、追ってこの記事に追記していきます。

