アイ工務店は、自由設計と高い住宅性能を適正価格で提供する、今もっとも勢いのあるハウスメーカーのひとつです。我が家もハウスメーカー選びの最初に訪れ、打ち合わせを3回重ね、正式な見積もりまでもらった「本命候補」でした。
それでも最終的に、我が家は一条工務店のグランスマートを選びました。この記事では、アイ工務店をやめた理由3つを、実際にもらった見積もり金額とあわせて正直にお話しします。あわせて、アイ工務店の良かった点も包み隠さず書きますので、検討中の方の判断材料になれば幸いです。
✅ この記事の結論
我が家がアイ工務店をやめた理由は、①急成長ゆえのアフターサービス・施工管理への不安、②思ったほど安くなかった価格、③他社を否定する営業スタイルの3つです。ただし、アイ工務店自体は良い会社で、担当者の所長さんも素晴らしい方でした。デザインの自由度を重視する方には今でもおすすめできるハウスメーカーです。
この記事の内容
- 前提:我が家はアイ工務店が「本命候補」だった
- やめた理由①:アフターサービス・施工管理への不安
- やめた理由②:思ったほど安くなかった〜見積もり実額公開
- やめた理由③:他社を否定する営業スタイル
- 誤解しないでほしい〜アイ工務店の良かったところ
- アイ工務店が向いている人・向いていない人
前提:我が家はアイ工務店の「本命候補」だった
最初にお伝えしたいのは、我が家にとってアイ工務店は「冷やかし」ではなく本命候補だったということです。検討の本気度は、以下のとおりです。
- 紹介制度を使って訪問:ハウスメーカー巡りの最初の1社がアイ工務店でした
- 打ち合わせは計3回:間取りの相談から資金計画まで具体的に進めました
- 自宅まで来て採寸・解体の打ち合わせも実施:建て替えの現地確認までしてもらいました
- 正式な見積もり(資金計画書)を取得:太陽光を除いて、36坪で総予算約4,374万円という具体的な金額をもらいました
担当者は知識豊富で誠実な方で、「比較するなら似た会社に絞りなさい」という的確なアドバイスもいただきました。実際、このアドバイスのおかげで我が家は木造・高断熱の3社(一条工務店・アイ工務店・ヤマト住建)に絞って正しく比較できました。
ここまで本気で検討したうえで、それでも我が家がアイ工務店をやめた理由を、大きい順に3つお話しします。
やめた理由①:アフターサービス・施工管理への不安
我が家にとって最大の理由がこれです。
アイ工務店は2010年創業ながら、急成長を続けている勢いのあるハウスメーカーです。成長していること自体はとても良いことですし、それだけ多くの施主に選ばれている証拠でもあります。
一方で、急成長の裏側として、施工管理や人手が追いついていないのではないかという不安を、我が家は検討の過程で感じました。具体的には次のような場面です。
- 展示場がいつも人で溢れかえっている:人気の証拠ではあるものの、応対するスタッフが明らかに足りておらず、待たされる場面が何度もありました
- 打ち合わせでも慌ただしさを感じた:担当の方は誠実でしたが、一人で多くの案件を抱えている雰囲気が伝わってきました
- ネット上の契約後の評判:契約前の対応は高評価が多い一方で、契約後・引き渡し後の対応について不満の声が一定数見られました
家は建てて終わりではなく、何十年も付き合っていくものです。定期点検や不具合対応など、引き渡し後にきちんと面倒を見てもらえるかは、住宅性能と同じくらい重要だと我が家は考えました。
💬 我が家の場合
担当の所長さん個人はとても信頼できる方でした。だからこそ「この人がいなくなったら?」「引き渡し後も同じ密度で対応してもらえるのか?」という会社としての体制への不安が、最後まで拭えませんでした。急成長中の会社を選ぶ際は、契約前の営業対応だけでなく、契約後・引き渡し後の口コミまで調べることをおすすめします。
やめた理由②:思ったほど安くなかった〜見積もり実額公開
アイ工務店といえば「高性能なのに適正価格(コスパが良い)」というイメージが強いと思います。我が家もそのイメージで検討を始めました。しかし、実際に建て替えの見積もりをもらってみると、一条工務店とほとんど変わらない金額でした。
アイ工務店の見積もり(建て替え・太陽光除く)
我が家が実際にもらった資金計画書の主な内訳がこちらです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 建物本体工事 | 29,357,541円 |
| 建物請負工事費用 小計(附帯工事込み) | 31,973,541円 |
| 請負契約金額(諸費用・消費税込み) | 約3,652万円 |
| 解体工事費(1期) | 2,148,300円 |
| 外構工事費 | 3,300,000円 |
| その他予備費用 小計 | 6,998,300円 |
| 総予算(太陽光除く) | 約4,374万円 |
ここで注意したいのが外構工事費です。アイ工務店の見積もりは外構330万円で計算されていましたが、一条工務店の我が家の見積もりは外構450万円。条件を揃えると、アイ工務店の総予算は約4,500万円になります。さらにここにオプション代が加わります。特に、当初はグランスマートではなく、アイスマイルを検討していた我が家にはアイ工務店の見積もりがとても高く感じました。
キャンペーンと値引きを含めても「同額」だった
公平のために書くと、我が家が検討した6月時点では、アイ工務店のキャンペーンはかなり充実していました。
- 設備・床材・軒天のグレードアップキャンペーン
- 照明・カーテン・エアコン70万円分プレゼント
- 地盤改良費が無料(キャンペーン適用)
- 太陽光発電9.5kWがプレゼント
- 紹介割引+6月キャンペーンで最大250万円まで値引きという交渉結果
これらを全部足し引きして、平均的なオプション代(150〜250万円程度)を想定すると、実質総額は36坪で約4,400〜4,500万円。一方、我が家の一条工務店グランスマートの建て替え総額は38坪で約4,504万円でした。つまり総額はほぼ同じです。
同じ金額で「入っているもの」を比べると
| 項目 | アイ工務店(N-ees) | 一条工務店(グランスマート) |
|---|---|---|
| 実質総額(我が家の試算) | 約4,400〜4,500万円 | 約4,504万円 |
| 太陽光発電 | 9.5kW(キャンペーン) | 13.475kW+蓄電池 |
| 断熱性能 | 断熱等級6(UA値0.28) | 断熱等級7(UA値0.18実測) |
| 全館床暖房 | なし | 標準 |
| 外壁 | サイディング等 | ハイドロテクトタイル |
| 間取り自由度 | 高い | 一条ルールあり |
ほぼ同じ総額なのに、一条工務店には大容量太陽光+蓄電池・全館床暖房・タイル外壁・ワンランク上の断熱性能が含まれている。この比較を見て、我が家は「アイ工務店は決して安くない。むしろ我が家の条件では割高かもしれない」と判断しました。
💬 誤解のないように
これはあくまで「我が家の条件(建て替え・この時期・この間取り)」での結果です。アイ工務店は間取りの自由度が高いぶん、プラン次第で金額は大きく変わります。また、床暖房や大容量太陽光が不要な方にとっては、この比較の前提自体が変わってきます。必ずご自身の条件で見積もりを取って比較してください。
やめた理由③:他社を否定する営業スタイル
3つ目は、営業スタイルの相性の問題です。
我が家が他社の展示場にも行きたいと伝えたとき、返ってきたのは他社への否定的なコメントでした。正確な言葉までは覚えていませんが、印象としては次のような内容です。
- 「ヤマト住建は勢いがないので、選ぶ余地はない」
- 「一条工務店はデザイン性がなく、今はアイ工務店のほうが住宅性能も優れているので、行かなくていいと思う」
他社の欠点は挙げる一方で、アイ工務店自身の欠点は一切語らないスタイルで、自社以外への訪問を避けさせようとする「囲い込み」のような印象を受けました。
営業トークとしては珍しくないのかもしれません。ただ、数千万円の買い物で「比較させない」方向に誘導されるのは、我が家には合いませんでした。むしろ「うちの弱点はここです。それでも御家族の優先順位ならうちが合います」と言ってくれる営業のほうが信頼できる、というのが我が家の感覚です。
📚 検討中の方へのアドバイス
営業担当に「他社は見なくていい」と言われても、必ず自分の目で複数社を比較してください。我が家は実際に3社を回って比較したからこそ、納得して決断できました。ちなみに「比較するなら似た会社に絞りなさい」と教えてくれたのも、他ならぬアイ工務店の所長さんでした。
誤解しないでほしい〜アイ工務店の良かったところ
ここまで「やめた理由」を書いてきましたが、アイ工務店には良いところもたくさんありました。フェアに書いておきます。
- 所長さんの人柄と知識:誠実で知識豊富。「比較するなら似た会社に絞る」という家づくりの本質的なアドバイスをくれました
- フットワークの軽さ:自宅まで来て採寸や解体の打ち合わせまで対応してくれました
- 間取りの自由度:1mm単位の設計対応など、収納や動線へのこだわりを反映しやすい設計力は3社の中で随一でした
- 住宅性能も十分に高い:N-eesは断熱等級6(UA値0.28)を標準でクリアし、全棟気密測定でC値0.5以下を確約。業界トップクラスの水準です
- キャンペーンの充実度:時期によっては設備グレードアップや太陽光プレゼントなど、条件面の魅力は大きいです
もし一条工務店にハグミーやアイスマイルといった価格を抑えた商品がなく、グランスマートとの価格差が大きいままだったら、我が家はアイ工務店に決めていたかもしれません。それくらい、最後まで迷った相手でした。
アイ工務店が向いている人・向いていない人
3回の打ち合わせと3社比較を経た我が家の結論として、アイ工務店の向き・不向きを整理します。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 間取り・動線・収納に強いこだわりがある | 床暖房や大容量太陽光など設備をフル装備したい |
| デザインの自由度を最優先したい | アフターサービスの安心感を最優先したい |
| 担当者と一緒に細部まで作り込みたい | 打ち合わせの手間を減らして標準仕様で完結させたい |
| キャンペーンを活用してコスパを追求したい | 営業トークに流されず自分のペースで比較したい |
よくある質問(FAQ)
Q. アイ工務店は悪い会社なのですか?
A. いいえ。我が家の担当所長さんは素晴らしい方でしたし、住宅性能・設計力ともに高いレベルのハウスメーカーです。この記事はあくまで「我が家の条件と価値観では一条工務店が合っていた」という話であり、デザイン重視の方には今でもおすすめできます。
Q. アイ工務店の値引きはどのくらい期待できますか?
A. 我が家の場合、紹介割引+6月キャンペーンの組み合わせで「最大250万円まで値引き可能」という交渉結果でした。時期(決算期など)やキャンペーン内容によって変わるため、必ず最新の条件を確認してください。
Q. アイ工務店と一条工務店、性能はどちらが上ですか?
A. 断熱性能の数値では、断熱等級7(UA値0.18実測)の一条工務店グランスマートが上です。ただしアイ工務店のN-eesも断熱等級6(UA値0.28)+全棟気密測定C値0.5以下と十分に高性能で、体感差が価格差に見合うかは人によります。詳しくは断熱性能の解説記事をご覧ください。
→ 一条工務店の断熱性能〜UA値0.18・C値0.40の実力
この記事のまとめ
- 我が家はアイ工務店と3回打ち合わせし、見積もりまで取得した「本命候補」だった
- やめた理由①:急成長ゆえのアフターサービス・施工管理への不安が最大の理由
- やめた理由②:条件を揃えて比較すると一条工務店とほぼ同額で、含まれる設備は一条のほうが多かった
- やめた理由③:他社を否定して比較させない営業スタイルが我が家には合わなかった
- ただしアイ工務店は良い会社。デザイン自由度重視なら有力候補
- 営業に何と言われても、必ず複数社を自分の目で比較することが大切
🏡 後悔しない家づくりのために
我が家のように、イメージ先行で「安い」と思っていた会社が、実際に見積もりを取ると同額だった、ということはよくあります。逆もまた然りです。まずは無料で複数社のカタログ・見積もりを取り寄せて、同じ条件で比較することから始めてください。


