✅ この記事の結論
パネル単体の性能(変換効率・出力保証)はアイ工務店(Qセルズなどの一般メーカー品)が上です。一方、1kWあたりの価格と、屋根に載せられる容量は一条工務店が上でした。
我が家の提案は、一条が13.475kW+蓄電池、アイ工務店が9.5kW(蓄電池なし)。変換効率の差は約1.16倍、容量の差は約1.42倍です。発電量を決めるのは「1枚の性能」より「載せた容量」なので、コスパで選ぶなら一条というのが両社で迷った我が家の結論です。
ただし、保証の長さやメーカーを選べる自由度を重視するならアイ工務店にも十分な理由があります。
一条工務店とアイ工務店で迷っていたころ、太陽光でかなり悩みました。かつて短い期間とはいえ太陽光発電の研究をしていたことがあり、拘りが強かったことも理由です。当時の私の感覚は太陽光については「性能はアイ工務店、コスパは一条工務店」でした。アイ工務店で提案されたパネルは変換効率が高く、スペック表だけ見ればこちらが上でした。それでも最終的に一条工務店を選んだのはなぜか。入居1年の実績データ(年間売電9,868kWh)も使って、両社の太陽光を比べていきます。
一条工務店とアイ工務店の太陽光|基本的な違い
まず前提として、両社は太陽光の「売り方」から違います。一条工務店は自社グループ工場でつくるオリジナルパネルを屋根そのものにする方式。アイ工務店は一般的な太陽光メーカーのパネルを、屋根の上に架台で載せる方式です。
| 項目 | 一条工務店 | アイ工務店 |
|---|---|---|
| パネル | 一条オリジナル(自社グループ工場で生産) | 一般メーカー品。Qセルズ(ハンファジャパン)が主力とされる※ |
| 設置方式 | 屋根一体型(パネルが屋根材を兼ねる) | 後載せ(屋根の上に架台で設置) |
| 扱い | オプション(ほぼセットで提案される) | オプション |
| 平均搭載容量 | 12.02kW(2024年度実績・公式) | 公表なし |
| 蓄電池 | 一条オリジナル(7.04kWh)とのセット提案 | 別途オプション(メーカーを選ぶ) |
| メーカーの選択 | 選べない | 支店と相談して選べる※ |
※アイ工務店のパネルメーカー・選択の可否は第三者サイト(アイ工務店施主のブログ等)による情報です。支店や時期で異なるため要確認。一条工務店の平均搭載容量は公式サイト「大容量太陽光発電&長寿命蓄電池」より。
我が家に出た2社の太陽光提案を並べてみる
実際に我が家が受けた提案がこちらです。アイ工務店の見積もり全体はアイ工務店をやめた理由の記事で公開しています。
| 項目 | 一条工務店(採用) | アイ工務店(見送り) |
|---|---|---|
| 容量 | 13.475kW | 9.5kW |
| パネル | 屋根一体型オリジナルパネル | 当時の一般的な住宅用モデル |
| 蓄電池 | 7.04kWh込み | なし |
| 価格 | 2,485,000円(税抜) | キャンペーンで無償(当時) |
| 1kWあたり | 約18.4万円(税抜・蓄電池込み) | —(通常価格は後述) |
アイ工務店の9.5kWは、当時のキャンペーンで無償でした。ここだけ見るとアイ工務店のほうが得に見えます。ただ、キャンペーンは時期ごとに中身が変わりますし、我が家の場合は太陽光のプレゼントや値引きをすべて足し引きしたとき、当初検討していたアイスマイルならアイ工務店より一条工務店のほうが安く、グランスマートを選択したとしても家全体の総額はアイ工務店は結局一条工務店とほぼ同じでした。性能の高い一条工務店がお手頃に感じたのもこの頃でした。
そこでこの記事では、キャンペーンに左右されない「パネルそのものの性能」と「通常価格で比べたコスパ」の2つに分けて比較します。
パネルの性能はアイ工務店(一般メーカー品)が上

当時、私が「アイ工務店のほうが性能が良い」と感じたのは変換効率でした。変換効率とは、パネルに当たった太陽の光のうち何%を電気に変えられるかという数字です。
| 項目 | 一条工務店 | アイ工務店(Qセルズの例) |
|---|---|---|
| 変換効率 | 約18.7%※1 | 21.6%(Q.TRON S-G2.4+)※2 |
| 出力保証 | 10年 | 25年(Q.TRON)※2 |
| 設置方式による熱の影響 | 屋根一体形は熱がこもりやすい※3 | 架台設置は裏面に風が通る |
| 公式の仕様公開 | 変換効率は公式非公表 | 型番ごとに公開 |
※1 2020年時点の一条工務店のパネル(PVM-A00250・250W)の寸法と出力から概算した値。現行パネルの変換効率は公式に公表されていないため要確認。
※2 ハンファジャパンの一般向け製品一覧に掲載のQセルズのQ.TRON S-G2.4+の値
※3 JISの発電量推定の参考値では、屋根一体形のパネル温度上昇を屋根置き形より約4℃高く見込みます。
いろいろと調べましたが、パネル単体の性能では、一条工務店は負けています。変換効率は少なくとも2〜3ポイントは低く、出力保証の年数も一般メーカー品の25年に比べて短いです。一条工務店の場合は断熱性が高いのでそこまで問題にはならないとは思いますが、屋根一体型は熱がこもりやすく、夏場の発電ロスは架台設置より少し大きくなります(パネル温度が約4℃上がると、一般的な温度特性で約2%前後の目減り)。
スペックだけでいえば「アイ工務店のほうが性能が良い」と感じた当時の私の判断は、今でも変わっていないようです。
変換効率の差は「屋根の面積あたり」の差
では、変換効率が高いパネルのほうがたくさん発電するのでしょうか。
変換効率は「変換効率とは、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する割合」です。太陽光パネルを設置したときに、変換効率が大きいほど、同じ面積からより大きな定格出力(kW)を得られます。言い換えると、変換効率が大きいほど、「同じkWを設置するときの必要面積が小さくなる」ということです。
同じ9.5kWなら、変換効率18%のパネルでも22%のパネルでも、年間の発電量はほぼ同じです。違うのは、9.5kWを載せるのに必要な屋根の広さです。
📌 ポイント
発電量を決めるのは「変換効率」ではなく「載せた容量(kW)」です。変換効率が効いてくるのは、屋根が狭くて容量を載せきれないときです。
我が家の場合で比べると、こうなります。
| 比べたもの | 差 | 意味 |
|---|---|---|
| 変換効率(21.6% ÷ 18.7%) | 約1.16倍 | 同じ面積に載せられる容量の差。アイ工務店提案のほうが変換効率がよい。 |
| 提案された容量(13.475kW ÷ 9.5kW) | 約1.42倍 | 発電量に直結する容量の差。一条工務店のほうが容量が大きい。 |
パネル1枚の性能は、アイ工務店のほうが一条工務店の約1.16倍ほどよいです。ただし、一条工務店は屋根いっぱいにパネルを敷き詰めるので、現状の提案のままだと、一条工務店のほうがアイ工務店の約1.42倍ほど容量が大きいです。
公平のために付け加えると、アイ工務店でも屋根に余裕があれば容量は増やせたはずです。理屈の上では、変換効率の高いパネルを同じ屋根に敷き詰めれば、一条工務店の容量を上回る可能性もあります。ただ、その場合は後述するように費用が高くなります。
我が家の場合は、屋根にダミーパネルを載せることなく、太陽光パネルを敷き詰めたときの容量が13.475kWでした。これも決め手でした。
コスパは一条工務店|1kWあたりの価格で比較

キャンペーンのない通常価格で比べると、差ははっきりします。
| 比較対象 | 総額 | 1kWあたり | 蓄電池 |
|---|---|---|---|
| 一条工務店(我が家・13.475kW) | 2,485,000円(税抜) 2,733,500円(税込換算) | 約18.4万円(税抜) 約20.3万円(税込) | 込み(7.04kWh) |
| 一条工務店(2026年4月末時点・公式) | 約289.9万円(税込) | 約21.5万円(税込) | 込み(7.04kWh) |
| アイ工務店のオプション価格の目安 | 9.5kWで約238〜285万円※ | 約25〜30万円※ | なし(別途) |
| 一般的な相場(5kW) | 約131.9万円(税込) | 約26.4万円(税込) | なし |
※アイ工務店の価格はオプション扱いのため公式価格表がありませんが、我が家が提示してもらったものを見ても、アイ工務店施主の各種のブログ等を見ても、「1kWあたり25〜30万円」あたりでしょう。蓄電池を加えるとさらに高くなります。一条工務店の現行価格は公式サイトの試算条件(太陽光13.475kW+蓄電池7.04kWh)より。一般的な相場はソーラーパートナーズの2025年成約データ(補助金適用前)より。
一条工務店は蓄電池まで含めて1kWあたり約18〜22万円。一般的な後載せ太陽光はパネルだけで約25〜30万円です。アイ工務店で同じように蓄電池まで付けると、蓄電池だけで180万円前後かかりますし、仮に9.5kW+蓄電池にすると、目安で400万円を超える計算です。キャンペーンで太陽光は無料になるとはいえ、かなり高額な費用でした。
一方、一条工務店の太陽光パネルはコスパが良いです。一条工務店の太陽光パネルのコスパがよい理由は、太陽光パネルも蓄電池も自社グループ工場で生産しているからです。
📝 メモ
一条工務店の太陽光は値上がりしています。我が家の契約時は13.475kW+蓄電池で2,485,000円(税抜)でしたが、2026年4月末時点の公式試算では約289.9万円(税込)になっているようです。物価高騰に伴って一条工務店のオプション代も上がっていますが、それでも1kWあたりで見れば、一般的な後載せ太陽光より安い水準です。
容量の差は年間いくらの差になるか|我が家の実績で試算
容量の差がお金にするといくらになるのか、我が家の入居1年の実績で試算してみます。
入居1年(2025年8月〜2026年7月)の売電量は9,868kWh・148,020円でした。13.475kWで割ると、売電分だけで1kWあたり年間約732kWhです。詳しくは電気代1年分を公開した記事にまとめています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 容量の差(13.475kW − 9.5kW) | 3.975kW |
| 1kWあたりの年間売電量(我が家の実績) | 約732kWh |
| 差の分の年間売電量(試算) | 約2,911kWh |
| 差の分の年間売電額(15円/kWh) | 約43,665円 |
| FIT期間10年の合計(試算) | 約44万円 |
※試算の前提:増えた容量の発電はすべて売電に回り、1kWあたりの売電量は我が家の年間平均と同じと仮定しています。実際には増えた容量の発電はほぼ全量が売電になるため、この試算は少なめに出ています。経年劣化・天候・売電単価の変動は考慮していません。
容量の差だけで、少なく見積もっても年間約4.4万円、FIT期間の10年で約44万円。変換効率の差や、屋根一体型の熱による目減り(約2%前後)を差し引いても、容量の差のほうがずっと大きく効きます。
実際、我が家は床暖房を8か月つけっぱなし、エアコン2台を24時間運転していても、1年間の電気代は82,344円。売電148,020円と差し引きして年間65,676円のプラスでした。この数字は、太陽光パネルの容量をたっぷり載せたからこそだと思っています。
停電時の使い勝手|蓄電池込みの一条工務店が有利
太陽光を比べるとき、見落としがちなのが停電時にどれだけ電気が使えるかです。
| 項目 | 一条工務店 | 一般的な太陽光(蓄電池なし) |
|---|---|---|
| 停電時に使える電力 | 最大5.5kVA | 約1.5kVA |
| 使える場所 | 家中のコンセント | 非常用コンセント1口 |
| 夜間の停電 | 蓄電池で使える | 使えない(発電中のみ) |
我が家も、停電時は分電盤横の切替装置で全コンセントに給電される仕組みで、同時に使えるのは5,500Wまでです。アイ工務店の提案は蓄電池なしだったので、停電時は昼間の発電中に非常用コンセントが使える程度だったはずです。蓄電池を後から足すことはできますが、その場合は先ほどの価格差がさらに広がります。
屋根一体型と後載せ型|メンテナンスと保証の違い
パネルの性能と価格以外にも、長く住むうえで知っておきたい違いがあります。
| 項目 | 一条工務店(屋根一体型) | アイ工務店(後載せ型) |
|---|---|---|
| 屋根の塗り替え | 不要(パネルが屋根材) | 屋根材による(パネル下の屋根は塗装しにくい) |
| 屋根の重さ | 瓦屋根の約1/4(公式) | 屋根材+架台+パネルの重量 |
| パネル破損時の雨漏り対策 | 改質アスファルト3層の下地で屋根機能を維持(公式) | 屋根材が別にあるため影響は小さい |
| 修理・交換の依頼先 | 一条工務店のみ | メーカーの施工店なら選べる |
| 保証 | 10年※ | メーカー保証25年など長め※ |
| 不具合の監視 | モニタリングサービスで一条が遠隔チェック(公式) | メーカー・販売店のサービスによる |
※保証年数は前述のとおり要確認。メーカー保証を受けるには、メーカーの施工IDを持つ業者が設置していることなどの条件があります。
一条工務店の弱点は、修理や交換を一条工務店にしか頼めないことと、保証の年数です。パワーコンディショナーは一般に10〜15年で交換時期が来ると言われるので、将来の交換費用は見込んでおく必要があります。
逆に、屋根の塗り替えが要らないのは大きな利点です。スレート屋根は10〜15年ごとの塗り替えが理想とされ、そのたびに足場代もかかります。屋根そのものがパネルなので、この出費がありません。
どっちが向いている?タイプ別の選び方
| 重視すること | 一条工務店 | アイ工務店 |
|---|---|---|
| 1kWあたりの価格を抑えたい | ◎ | △ |
| できるだけ大容量を載せたい | ◎ | ○ |
| 蓄電池もセットで入れたい | ◎ | △(高額になりやすい) |
| 停電時に家中で電気を使いたい | ◎ | △(蓄電池次第) |
| パネル1枚の性能・変換効率 | △ | ◎ |
| 保証の長さ | △ | ◎ |
| メーカーを自分で選びたい | × | ◎ |
| 屋根の形・デザインを自由にしたい | △(パネルを載せやすい屋根形状が前提) | ◎ |
| キャンペーンで安く載せたい | △ | ◎(時期による) |
大容量+蓄電池で「電気を自給自足したい」なら一条工務店。太陽光は控えめでもいいから屋根のデザインやメーカー選びを優先したい、あるいはキャンペーンのタイミングが合うならアイ工務店、という整理になります。
当時の私の結論|性能よりも「容量」「コスパ」を取った
スペック表だけを見ていると正直アイ工務店に惹かれていました。変換効率も保証も上でした。しかも当時は決算前のキャンペーンで太陽光9.5kWが無償でした。
それでも一条工務店を選んだのは、太陽光を「パネルの性能」ではなく「家全体でどれだけ電気をまかなえるか」で考え直したからです。家全体の総額がほぼ同じなら、13.475kWの大容量と蓄電池、停電時に家中で使える電力が付いてくる一条工務店のほうが、暮らしへの効果は大きいと判断しました。
1年住んでみて、この判断はある程度正しかったと思っています。冬の2か月を除けば毎月売電が電気代を上回り、1年で約6.5万円のプラス。性能で負けていた部分を、容量でしっかり取り返せました。
💡 これから比較する方へ
両社の見積もりを並べるときは、「kW数」「蓄電池の有無」「停電時に使える電力」「保証年数」の4つをそろえて比べてください。どちらかがキャンペーンで無償になっていても、同じ条件にそろえると見え方が変わります。
よくある質問
Q. 一条工務店の太陽光パネルは性能が低いのですか?
A. 変換効率は一般メーカーの最新パネルより低めです。ただし変換効率は「面積あたりの容量」の差なので、屋根全体に敷き詰めて容量を確保できれば、発電量で不利になるわけではありません。我が家は13.475kWで、売電だけで年間9,868kWhでした。
Q. アイ工務店の太陽光はどこのメーカーですか?
A. アイ工務店の太陽光はQセルズ(ハンファジャパン)が多いと言われています。我が家もそうでした。営業と相談してメーカーを選べるとも言われています。
Q. アイ工務店の0円ソーラーと比べるとどうですか?
A. 0円ソーラーは初期費用がかからない代わりに、一定期間は売電収入や発電した電気の扱いに制約があります。仕組みと落とし穴は0円ソーラー5社比較の記事で詳しく比べています。
Q. 一条工務店の太陽光は元が取れますか?
A. 我が家は入居1年で売電148,020円、電気代との差し引きで年間65,676円のプラスでした。ただし売電15円/kWhが保証されるのはFIT期間の10年だけです。回収の考え方は太陽光+蓄電池の実額を公開した記事とFIT制度の収支シミュレーションにまとめています。
Q. 屋根一体型は交換できないのですか?
A. 交換はできますが、依頼先は一条工務店に限られます。後載せ型のように、別の業者やメーカーを選ぶことはできません。この点は屋根一体型の明確なデメリットです。
まとめ
- パネル1枚の性能(変換効率・保証)はアイ工務店(一般メーカー品)が上
- 1kWあたりの価格は一条工務店が上
- 変換効率の差(約1.16倍)より、容量の差(約1.42倍)のほうが発電量に効く
- 容量の差だけで、少なく見積もっても年間約4.4万円・10年で約44万円の売電差(我が家の実績で試算)
- 停電時に家中で使える電力(最大5.5kVA)は、蓄電池込みの一条工務店が有利
- 保証の長さ・メーカーを選ぶ自由・屋根デザインを優先するならアイ工務店
アイ工務店と一条工務店の全体の比較はアイ工務店vs一条工務店を7項目で比較した記事で、断熱や間取りの自由度まで含めて書いています。
📌 一条工務店に気持ちが傾いている方へ
一条工務店には紹介制度があり、我が家は親族紹介で422,905円の値引きを受けました。紹介制度は初回の展示場訪問より前に手続きしないと使えません。展示場へ行く前に、仕組みだけでも確認しておいてください。
▶ 一条工務店の紹介制度のしくみと申し込み方法
まだ一条工務店とアイ工務店以外も含めて迷っている方は、複数社の間取りと見積もりを同じ条件で取り寄せると、太陽光の提案内容も並べて比べられます。


